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井上靖: 風濤

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日本征服の野望を持つ元の世祖フビライは、隣国の高麗に多数の兵と船と食料の調達を命じた。

高麗を完全に自己の版図におさめ、その犠牲において日本を侵攻するというのがフビライの考えであった。

高麗は全土が元の兵站基地と化し、国民は疲弊の極に達する------。

大国元の苛斂誅求に苦しむ弱小国高麗の悲惨な運命を辿り、〈元寇〉を高麗・元の側の歴史に即して描く。

 

昭和42年3月20日 発行
平成24年11月10日 五十三刷

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