- 2011年1月17日 10:53
- ブックレビュー
平戸藩の御船手方書物天文係の雙星彦馬は、三度の飯より星が好きという藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の紹介で美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は生涯大切にすることを心に誓うが、わずかひと月で新妻は失踪してしまう。じつは織江は、平戸藩の密貿易を怪しんだ幕府が送り込んだくの一だった。そうとは知らず妻を捜しに江戸へ赴く彦馬だったが・・・・・・・。
平成20年12月25日 初版発行
平成21年8月25日 7版発行
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「わしがこの国を開いてやる」江戸藩邸で「甲子夜話」の執筆にいそしむ元平戸藩主、松浦静山はこともなく言い放った。友人の千右衛門に連れられ下屋敷に呼び出された雙星彦馬は仰天。こんな発言は露見すると即座に打ち首だった。天文航海に通じた彦馬に期するものでもあるのか。神田妻恋坂の裏長屋に居を定め、寺子屋の合間を塗って織江を探す彦馬。だが、花のお江戸は今日も驚きの連続だったのだ・・・・。
平成21年1月25日 初版発行 |
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平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。妻の織江を探しに江戸へ出てきたのだが、天体観測わ付き合わされたり、巷で起きる事件の調査を頼まれたり。そのため彦馬の織江探しは、静山が綴る「甲子夜話」のようには着々と進まない。だが彦馬は知るよしもなかった。お庭番の密命を帯びた織江が、飯炊き女になりすまし静山の下屋敷に潜入していたことを。
平成21年2月25日 初版発行 |
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松浦静山の下屋敷に飯炊き女として潜入した織江は、ついに静山の密貿易と野心の証拠をつかんだ。だが、これを提出すれば静山ばかりか、夫の彦馬にも破滅が訪れてしまう。くの一としての義理と、妻としての人情。その板ばさみに悩む織江を、お庭番の頭領・川村真一郎がじわじわと追いつめていく。窮地に陥った織江に、くの一の先輩でもある母が忠告した言葉。それは驚くべきものだった。
平成21年5月25日 初版発行 |
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ついに織江の正体を知った雙星彦馬。しかし、彦馬は、それでも妻を信じて再び逢える日を待つ。一方、静山の屋敷から失踪した織江は、悩みながらもお庭番から離れる決意をした。母・雅江はその手助けに、最後の力を振り絞る。二人抹殺するため、お庭番の頭領・川村真一郎率いる忍びたちが迫り来る。危機一髪のところで助けに入ったのは意外な人物だった。織江の驚くべき過去が明らかに!
平成21年8月25日 初版発行 |
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織江が実の娘であることを知った松浦静山。だが静山は、織江がそれを知らせぬまま、ひそかに守りつづけることを決意する。一方、織江は、江戸の市中に潜み、母の死、そして一生追われ続けるという過酷な運命に打ちのめされ、酒におぼれる日々を送っていた。時には死すら、頭をよぎる------。そんな織江を捕らえるため、新たな刺客が放たれる。「夜に溶ける」と噂される不気味な忍びの正体とは? 平成21年12月25日 初版発行 |
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夫の彦馬に逢いたい。その想いを抑えられず、お庭番を抜けて逃亡中の織江は、変装して彦馬の家にほど近い妻恋坂を歩いていた。ある日、怪しげな男が落とした奇妙な形のものを拾う。それが新たな追っ手の罠だとは、知るよしもなかった。さらに織江は、彦馬が美しい女性と歩いているところを目撃、次第に心を乱されてゆく。そのころ彦馬は、占いによりある運命を予言されるのだか----。 平成22年4月25日 初版発行 PS:(八)は、8月発売予定なので、しばらく、くの一シリーズは読まなくてすみそうです。 |
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神田明神近く、大通りの外れにいつのまにかできたごく庶民的な飲み屋〈浜路〉。ほっこりとした女将を目当てに、鳥居耀蔵や同心の原田は常連となり、彦馬も連れられて度度足を運んでいた。追っ手の影を恐れ、彦馬の周囲に注意を払っていた織江は、彦馬が訪れるその店の正体を知る。そこには、思いもよらぬ苛酷な運命が待ち受けていたのだった。ついに、静山の幽霊船貿易も始動し、江戸はにぎやかにざわめく。 平成22年8月25日 初版発行 PS:今回の出来は、いまいち感心しません。そろそろフィナーレにしたほうが、良いかもしれません。 |
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度重なる刺客との戦いに、織江は疲れを感じていた。彦馬を好きでなくなれば、一人で逃げ切れるかもしれない。切ない想いに動かされ、織江は自らに心術をかける。「あれは一時の気の迷い。恋なんてすべていつわりなんだ。幻なのさ・・・・・・・」。そんなある日、織江は妻恋坂下で呼び止められる。相手はなんと、幼馴染のくの一、お蝶。彼女は果たして刺客なのか?一方彦馬は、静山の指示でついに江戸を離れることに----。 平成22年12月25日 初版発行 |
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