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司馬遼太郎: 播磨灘物語(一)(二)(三)(四)
- 2010年3月24日 08:47
- ブックレビュー
黒田官兵衛。戦国時代末期の鬼才。牢人の子に生まれながらも、二十二歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。だが、「この程
度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。欲のうすい官兵衛だか、「広い世界へ出て、才略ひとつ
で天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった。
2004年1月15日 第1刷発行
官兵衛は信長に新時代が出現しつつあるというまぶしさを感じていた。「だからこそ織田家をえらんだ」のだ。信長に拝謁した官兵衛は、「播州のことは秀吉に相談せよ」と言われ秀吉に会う。秀吉は官兵衛の才を認め、官兵衛も「この男のために何かせねばならない」と感じた。ふたりの濃密な関係が始まった。
2004年1月15日 第1刷発行
2008年3月3日 第8刷発行
官兵衛を信長に取り次いでくれた荒木村重が信長に謀反を起こし毛利についた。翻意させるべく伊丹を訪れた官兵衛は囚われてしまう。信長は官兵衛も裏切ったと錯覚し、子の松寿丸を殺せと命じた。竹中半兵衛の策で救われるが、官兵衛が牢を出た時は、半兵衛、既に病死。牢を出てからの官兵衛は身も心も変わる。
2004年1月15日 第1刷発行
2008年3月3日 第10刷発行
信長が殺された。秀吉は「主の仇」光秀を山城山崎で討ち、その二年後には、豊臣政権を確立した。官兵衛は自分の天下構想を秀吉という素材によって、たとえ一部でも描きえたことに満足だっただろう。この戦国の異才が秀吉に隠居を許され、髪をおろし入道し「如水」と号したのは、四十八歳のときであった。
2004年1月15日 第1刷発行
2008年3月3日 第10刷発行
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