- 2008-10-22 (水)
- ブックスレビュー
にがい思い出だった。若かったとはいえ、よくもあんな残酷な仕打ちが出来たものだ。出入りする機屋の婿養子に望まれて、新右衛門は一度は断ったものの、身籠っていたおひさを捨てた。あれから二十余年、彼女はいま、苦界に身を沈めているという・・・・・・・。表題作「時雨のみち」をはじめ、「滴る汗」「幼い声」「亭主の仲間」等、人生のやるせなさ、男女の心の陰翳を、端正な文体で綴った時代小説集。
昭和59年 5月25日 発行
平成19年 2月 5日 51刷
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