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ブックレビュー: 2012年3月アーカイブ

司馬遼太郎: 木曜島の夜会

img-322093259.jpgオーストラリア大陸の北端に浮かぶ、木曜島。その海底は、高級ボタンの材料となる白蝶貝の宝庫であった。明治の始めから太平洋戦争前まで、多くの日本人が採取のため雇われた。サメの恐怖、潜水病に耐えつつも異国の海に潜り続けた彼らの哀歓と軌跡から、日本人を描き出した表題作ほか、歴史短編三編。

2011年8月10日 新装版第1刷

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司馬遼太郎: 峠(上)(中)(下)

img-328084335.jpg幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるので゛あった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。

平成15年10月25日 発行
平成22年9月20日  20刷

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司馬遼太郎: 峠(下)

img-306084549.jpg開明論者であり、封建制度の崩壊を見通しながら、継之助が長岡藩をひきいて官軍と戦ったという矛盾した行動は、長岡藩士として生きなければならないという強烈な自己規律によって武士道に生きたからであった。西郷・大久保や勝海舟らのような大衆の英雄の蔭にあって、一般にはあまり知られていない幕末の英傑、維新史上最も壮烈な北越戦争に散った最後の武士の生涯を描く力作長編。

平成15年10月25日 発行
平成23年 8月 5日 21刷

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佐藤雅美: たどりそこねた芭蕉の足跡 八州廻り桑山十兵衛

img-224085247.jpg働くばかりが能でなし、たまには羽も伸ばしたい。お役目の合間を縫って縄張り外の出羽に向かい、「おくのほそ道」の気分にひたろうとした十兵衛だったが、関八州をまたにかける盗賊一味と同じ道を辿ってしまったから、さあ大変。お馴染み桑山十兵衛が行く先々で珍妙な騒動に巻き込まれる。

2012年2月10日 第1刷

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