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ブックレビュー: 2009年5月アーカイブ

新田次郎: 剣岳<点の記>

img-515113938.jpg日露戦争直後、前人未到といわれ、また、決して登ってはいけない山と恐れられた北アルプス、剣岳山頂に三角点埋設の至上命令を受けた測量官、柴崎芳太郎。機材の運搬、悪天候、地元の反感など様々な困難と闘いながら柴崎の一行は山頂を目ざして進んでゆく。そして、設立間もない日本山岳会隊の影が。

2006年1月10日 新装版第1刷
2008年5月20日      第10刷

PS: 今年の6月にも映画が封切りになるようです。私も若い時、ここに記されている大日岳周辺と立山温泉以外はほとんど歩きました。30年以上も前なので写真がほとんどありませんが、機会を見て山行記録で紹介したいと思います。

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藤沢周平: 霜の朝

img-430161403.jpgその財力を賭けて粋を競った相手の紀ノ国屋文左衛門は、悪銭廃止令によって没落した。勝ち残った奈良屋茂左衛門の胸を一陣の風が吹き抜けていった。紀文と共に一つの時代がすぎていったようだ・・・・・・(表題作「霜の朝」)ほかに、若い武家夫婦の無念を晴らす下男の胸中(「報復」)や、意に染まぬ結婚をした女のあわれ(「歳月」)等、人の心に潜む愛と孤独を、円熟した筆に綴った時代小説傑作集。

昭和62年2月25日 発行
平成19年1月20日 43刷

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藤沢周平: 冤罪

img-429160258.jpg部屋住みの若侍堀源次郎には、ひそかに心を寄せる娘がいた。散歩のたびに目顔で挨拶をかわす、坂下の家の娘である。ところがある日、お目あての娘の姿が消え、彼女の父親相良彦兵衛が藩金横領の咎で詰め腹を切らされたことか゜判明した。不審に思った源次郎は疑惑追及に乗り出すが・・・・・。表題作はじめ、『潮田伝五郎置文』『臍曲がり新左』等、興趣あふれる《武家もの》時代小説全9編。

昭和57年9月25日 発行
平成19年1月30日 65刷

 

 

 

 

 

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上田秀人: 破斬 勘定吟味役異聞(一)(二)(三)(四)(五)(六)(七)(八)

img-210085717.jpg破斬  勘定吟味役異聞

  六代将軍家宣は、懐刀の新井白石の進言により勘定吟味役を復活、水城聡四郎が抜擢された。聡四郎は、勘定方に関わる一切を監査する役に戸惑いながらも、幕府財政の建て直しを図る。そんなとき、手抜き工事絡みで、庶民の貨幣への不信を知った。数回に及ぶ小判の改鋳は誰が? それに絡む利権の集約先は!?不正を糾す、聡四郎の免許皆伝・一放流必殺の太刀!

 2005年8月20日 初版1刷発行
 2008年5月30日    6刷発行

 

 

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津本 陽: 下天は夢か(一)(二)(三)(四)

img-Y24081840.jpg群雄割拠する戦国の世に、尾張半国を斬り従えて頭角を現した父・織田信秀は、国主大名へと成り上がる野望を果たせず病没した。内外を敵に囲まれて跡目を継いだ信長は、内戦を勝ち抜き、ついに強敵・今川義元を桶狭間に討ち取ると、美濃攻略に取りかかる。天下への大きな一歩を踏み出そうとしていた・・・・。革命児・織田信長の素顔に迫り、空前のブームを巻き起こした記念碑的大作。

平成20年10月25日 初版発行

 

 

 

 

 

 

 

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筒井康隆: 幻想の未来

img-428105858.jpg1億年後の地球。そこにはかつての人類の物質文明の繁栄は跡かたもなく、荒廃した岩山と砂漠だけがあった。ホモ・サピエンスの末裔たちは突然変異体としてさまざまな形態を持ち、また食人、近親交配、殺人等のタブーすら解かれていた・・・・・。SF界の俊才筒井が独自の想像力を駆使して描く未来の世界。他に「ふたりの印度人」等9篇。

昭和46年8月10日 初版発行
昭和53年6月10日 17版発行

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