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ブックレビュー: 2008年7月アーカイブ
藤沢周平-義民が駆ける
- 2008年7月23日 08:30
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江戸幕府から突然命じられた三方国替え。越後長岡への転封を強いられた藩主を守ろうと、庄内藩の百姓たちは越訴のため黙々と江戸をめざす。「雖為百姓不仕二君」を旗印に深山にわけ入り間道を伝って歩き続ける領民たちの相貌と彼らを突き動かした情動を精緻に描く傑作歴史長編。
1998年9月15日 第1刷発行
2006年4月 3日 第18刷発行
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戸川猪佐武-小説吉田学校第七部
- 2008年7月19日 08:34
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昭和54年10月、衆院選自民党惨敗。グラマン・鉄建公団不正事件などで停滞する審議。大平は、東京サミットの成功をバネに、解散を強行した。官僚的発想の増税案と驕りに、審判の目は厳しかった。
248---前回の敗北をも下まわった議席。鈍牛のしたたかさで居すわる大平に、非主流各派の退陣要求は重くのしかかった。異例ともいえる国会の四十日間の空白は、派利派略の汚水のなかで展開された。
昭和56年6月10日 初版発行
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藤沢周平-闇の傀儡師(上)(下)
- 2008年7月16日 08:19
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筆耕稼業で気儘に暮らす御家人くずれの鶴見源次郎は、ひょんなことから深手を負った公儀隠密をたすけ、松平家へ宛てた密書を託される。紙片には「八は田会す、ご用心」とある。田とは老中・田沼意次。そして八とは八獄党。それは幕府を怨み連綿と暗躍をつづける謎の徒党であった。伝奇小説風の色彩あざやかな本格時代小説。
1984年7月25日 第1刷
2007年7月 5日 第36刷
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坂口安吾-堕落論
- 2008年7月12日 09:09
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「日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって始めて人間が誕生したのだ。生きて堕ちよ、その正当な手段の外に、真の人間を救い得る便利な近道がありうるのだろうか」と作者はいう。読者はこの集で、作者の世俗におもねらない苦行者の精神に燃えてほろびないあたらしい声を聞くのであろう。
昭和32年 5月30日 初版発行
昭和48年10月20日 改版22版発行
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司馬遼太郎-ペルシャの幻術師
- 2008年7月11日 08:28
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十三世紀、ユーラシア大陸を席捲したモンゴル軍が占領したペルシャ高原のとある街。モンゴルの将軍とその命を狙うペルシャ人との暗闘を描いた「ペルシャの幻術師」(昭和三十一年、第八回講談倶楽部賞受賞)は司馬氏の幻のデビュー作で、文庫初登場である。同じく文庫初収録の「兜卒天の巡礼」等、前八篇の短編集。解説・磯貝勝太郎
2001年2月10日 第1刷
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戸川猪佐武-政権争奪
- 2008年7月 9日 08:48
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昭和20年8月、マッカーサーが厚木に飛来した。それは日本の議会政治に、巨大な変革をもたらした。なかでも多数決原理による首相選出は、政治家たちに宰相の座を指呼の間のものとした。
激動の戦後日本を支え、自らその進路を決した、東久邇から三木まで、二十四代の首相交代劇にスポットをあてながら、その裏で権力の座を求め、時には幸運に笑い、また悲運に泣きながらも、はてしない抗争に自ら投じてやまぬ政治家たちの姿をリアルに描く、戦後政治史の得がたいマニュアル。
昭和57年6月10日 初版発行
昭和57年7月30日 再版発行
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戸川猪佐武-小説吉田学校第三部
- 2008年7月 2日 08:15
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昭和45年10月、佐藤総裁四選決定。
三木武夫の得票111は党内の不満の大きさを語ってあまりあった。
任期満了の禅譲をを信じた福田は、外相として、沖縄返還、天皇訪米などの行事に忙殺されていた。他方、幹事長として辣腕をふるい選挙戦を勝ち抜き、総裁への切符を手にしたかに見えた田中は、組閣人事の福田偏重の傾向を潮に、角福対決の肚をかため、総裁公選への体制作りに力を注いでいた。
昭和56年 1月30日 初版発行
昭和56年10月30日 9刷発行
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戸川猪佐武-小説吉田学校第二部
- 2008年7月 1日 08:07
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昭和29年12月、吉田内閣総辞職。
鳩山一郎は、参謀三木武吉の世紀の奇策-----保守大合同----で安定多数を得るとともに、河野一郎ら党人実力者を擁する力を背景に、日ソ復交に、政治生命を賭ける。
保守大合同により、複雑にからみあう人脈、ポスト鳩山を狙う新実力者たち。戦後政治を彩る野心家が、虚々実々に展開する合従連衡・・・・・・。
昭和55年12月30日 初版発行
昭和56年 1月30日 再版発行
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