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ブックレビュー: 2008年3月アーカイブ
横溝正史-本陣殺人事件
- 2008年3月26日 08:53
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一柳家の当主賢蔵の婚礼をおえた深夜、人びとは、恐ろしい人の悲鳴と琴の音を聞いた。離れの座敷の新床の上に、血まみれになって倒れた新郎新婦。その枕元には、家宝の名琴「おしどり」と三本指の血痕の残る金屏風があった。・・・・・・・宿場本陣の旧家に起こった、雪の夜の惨劇を描いて、密室のトリックに挑戦する表題作ほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二辺を併せ収める。
昭和48年 4月30日 初版発行
昭和51年12月10日 24は版発行
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横溝正史 悪魔が来たりて笛を吹く
- 2008年3月19日 08:53
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毒殺事件の容疑者である椿元子爵が失踪して以来、椿家に次々と惨劇が起こる。自殺他殺を交え7人の命が奪われた。子爵が娘に残した遺書「これ以上の屈辱、不名誉にたえられない」とは何を意味するのか?悪魔の吹く嫋々たるフルートの音色を背景に妖異なる雰囲気とサスペンスが最後まで読者を惹きつけて放さない。
昭和48年 2月20日 初版発行
昭和50年 7月30日 10版発行
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フランク・ギブニー 人は城、人は石垣
- 2008年3月18日 08:56
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<ひよわな超大国>日本の恒久性を懸念するがゆえに、日本人がもつ基本的資質を再評価して、日本人に自信と勇気を提案した日本観察論!
1975年 Printed in Japan
PS: 原書は Japan:The Fragile Superpower
33年前の本です。当時日本人論ブームだったのか、日本が世界に注目を集めだしていたのか?日本版の表題「人は城、人は石垣」は武田信玄の言葉です。
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横溝正史-獄門島
- 2008年3月15日 11:48
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瀬戸内海に浮かぶ獄門島----南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人が起こった。おなじみ金田一耕助に託された遺言が及ぼす波紋とは?・・・・・・その面白さは三つの殺人にそれぞれ異なった見事なトリックの設定。そのトリックを象徴するに芭蕉の俳句をしつらえ、俳句と殺人の巧みな結びつけは実に圧巻である。
昭和46年10月30日 初版発行
昭和50年 7月30日 13版発行
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イザヤ・ペンダサン 日本教について
- 2008年3月13日 16:52
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私が「日本教」と呼ぶのは、この意地を支えている教義の基礎となっている一つの宗教----そのために日本人が殉教も辞さない一つの宗教を指します。従って私は、日本人が「私は自由主義者だ」「私はマルクス主義者だ」「私はクリスチャンだ」と自称しても、それらはすべて、いわばこの場合の「一向宗」であって、日本教を表現するための方法にすぎないと考えております。・・・・・・・・・・。
昭和47年11月25日 第1刷
昭和47年12月25日 第3刷
PS:懐かしい本でしょう。当時日本人論ブ-ムだったような気がします。最近この「日本教」も変化してきているように思えますが、この本の中身は全く忘れました。最近、山本七平氏が新書を出した記事が目に留まり、この本を思い出しました。
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司馬遼太郎-国盗り物語(一)(二)(三)(四)
- 2008年3月11日 15:02
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世は戦国の初頭。松浪庄九郎は妙覚寺で「知恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代をを乗っ取り、精力的活緻密な踏査によって、美濃ノ国を<国盗り>の拠点と定めた!戦国の革命児斉藤道三が、一介の牢人から美濃国守土岐頼芸の腹心として寵遇されるまでの若き日の策謀と活躍を、独自の史観と人間洞察によって描いた壮大な歴史物語の緒編。
昭和46年11月20日 発行
平成16年12月 5日 84刷
PS:面白くて一気に読めます。道三の娘の濃姫が織田信長と結婚しますが、信長が世に出る少し前の物語です。大河ドラマにするのは少し難しいのでしょうか?
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藤沢周平-隠し剣秋風抄
- 2008年3月 8日 09:38
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この作家のロングセラ-〝隠し剣〟シリ-ズ第二弾。気難しい読者をこれほど愉しませた時代小説は稀である。剣の遣い手はさらに多彩に。薄禄の呑んだくれ藩士のくぐもった悲哀を描く「酒乱剣石割り」、醜男にもそれなりの女難ありと語る「女難剣雷切り」など、粋な筆致の中に深い余韻を残す名品九篇を収載。剣客小説の金字塔。
2004年 6月10日 新装版第 1刷
2006年11月10日 第10刷
PS:昨年映画化された「武士の一分」の原作「盲目剣谺返し」は、目がうるうるします。なかなか面白いですよ。是非ご一読をお勧めしま
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藤沢周平-たそがれ清兵衛
- 2008年3月 8日 09:32
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下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮らしてはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「日和見与次郎」等、その風体性格ゆえに、ふだんは侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で情味あふれる異色連作全八編。
平成 3年 9月25日 発行
平成18年11月20日 62刷
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藤沢周平-用心棒日月抄・弧剣・刺客・凶刃
- 2008年3月 7日 15:59
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家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところドラマがある。青江又八郎は二十六歳、故あって人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの用心棒稼業。が、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれて、請け負う仕事はなぜか、浅野・吉良両家の争いの周辺に・・・・・・・。江戸の庶民の哀歓を映しながら、同時代人から見た「忠臣蔵」の実相を鮮やかに捉えた、連作時代小説である。
昭和56年 3月25日 発行
平成18年12月15日 77刷
PS:これは、10年少し前にNHKで放映していた「腕に覚えあり」です。
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藤沢周平-竹光始末
- 2008年3月 3日 09:21
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世の中変わっても、変わらないのは男の心------。一家の糊口を凌ぐために刀を売り、竹光を腰に仕官の条件である上意討ちへ向う浪人の心意気『竹光始末』。口喧しい女房を尻目に、藩の危機を未然に防ぐ一刀流剣士の手柄『恐妻の剣』。他に『石を抱く』『冬の終りに』等、小説巧者藤沢周平が、世の片隅で生きる男たちの意地と度胸を、ユ-モラスに、陰翳豊かに描く傑作時代小説全6編。
昭和56年11月25日 発行
平成18年12月15日 66刷
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