やはり面白かった!村上ワールド。
ホテル・オークラ本館のロビーは広々として天井が高く、ほの暗く、巨大で
上品な洞窟を思わせた。
これは例の1Q84のBOOK2の第7章青豆の冒頭の一節である。
さらにこう続く。
ソファーに腰をおろして何ごとかを語り合う人々の声は、臓腑を抜かれた
生き物のため息のようにうつろに響いた。カーペットは厚く柔らかく、極北
の島の太古の苔を思わせた。それは人々の足音を、蓄積された時間の
中に吸収していった。
ロビーを行き来する男女は、何かしらの呪いで大昔からそこに縛りつけられ
与えられた役割をきりなく繰り返している一群の幽霊のようにみえた。
と続いた。
天才作家、村上春樹とはいえ、これほどその一字一字の比喩に脳細胞を働かせた
ことはあまりなかった。
ブログでも書いたが、たまたま手に入った『1Q84』。買ったはいいがなかなか
読む暇がなく、しばらく机の上に置かれたままだった。
そんなとき、こんな広告が新聞にでた
やはり凄い人気なのだ!
「よし!今日から読もう!」と心に決め、アルコール摂取も控えめにしてその夜
から読み始めた。
あっと言う間に朝が来た。
500ページある第1巻(BOOK1)を一晩で読んだ!さすがに眠たかったが、出来るこ
となら出勤せずに第2巻(BOOK2)も続けて読みたかった。
青豆・天吾・空気さなぎ・リトルピープル・・・・・・全てを関連付けるのにかなりの
時間を要するが、眠ることを忘れるほど面白い。
あくる日、第2巻をと思ったが年齢的なことも考え、睡眠を選択した。
そして一昨日すべてを読み終えた。
空には厚い雲がかかり、月が一つか二つか確認していないが、今夜あたり
月が見れる晴れ空であろうから確認だけはしてみる。
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