カラスの恩返し
その前に、今日の話は「まさか~~!」や「嘘だ~~!」という人が多いと
思うが、嘘や偽りは無論、変な脚色さえしていないことを最初に断わっておく。
ただ、絶対的証拠になる写真等もなく、あくまでも状況をお話するしかない
のが残念であるが、とにかく私を信じて読んで頂きたい。
それは去年の5月の末(もしかしたら6月)の出来事であった。
我が家から50mほど離れた場所に、ちょっとした林がある。
カラスが飛んでいるのが分かると思うが、この林の木にはたくさんの「やどり木」
が寄生していて、それを利用しカラスやカッコーが時々巣を作る。
そして今回の主役は、この木の中ほどに巣を作ったのである。
いつしか卵を産み、雛が孵り、親カラスが餌を運ぶたびに「ピーピーピー」と
雛カラスが餌を欲しがる声が響き渡り、改めて大自然の素晴らしさに感動
していた。
それから半月ほど経ったある日のことであった。その日は初夏の日差しが温
かく、サンダル履きでぷらっと散歩に出た。
すると例のカラスの巣から「ギャーギャー」とけたたましい子カラスの声が・・・・。
ふと目をやると、何とその巣にいる子カラスを狙ったカッコーと親カラスが死闘
を繰り広げているではないか!
そして数秒後、まだ飛ぶことの出来ない子カラスが一羽、木の葉が落ちるごと
くヒラヒラと落ちてきた。
そして落ちた先は
その木の下の笹薮の中。(これは今の写真であり5月はもっと茂っている)
とっさに「助けなければ!」と思った私はその笹の中へ・・・・・。
その時、上の素の戦いは終わったのか、親カラスは落ちた子カラスを探す
べく、辺りをヒューヒュー飛んでいた。
私を威嚇しているのかその子カラスは口ばしを大きく開けてギャーギャー
わめいていたが、それを気にせず素手で子カラスを捕まえ、笹薮から出てきた。
でもこの後どうすれば・・・・・・??と思った時、あるものが目に入った。
そう!近所の人が作ってくれたリスの餌箱である。
わたしはそっと子カラスをその餌箱の上に置き、即座にその場から離れた。
親カラスはその一部始終を見ていたのであろう、素早く子カラスをつかみ
巣へと戻ったのであった。
それから2月ほど経ったある日、カーポートの前に小さな蛇が一匹・・・・。
あんまり蛇は苦手ではないが、何となく不気味でありその意味も分からず
誰かのいたずらかな?程度にしか思わなかった。
そして秋が来て、木々の葉も散り始めた頃、今度は車庫の前に小さな
モグラが2匹置いてあった。
この日はうっすらと雪が降り、そのモグラの辺りにはピョンピョン跳ねた鳥の
足跡らしきものが残っていた。
この時点でも「なんだろう???」としか思わなかった・・・・・・・。
そして今回の巨大ネズミである。
足跡や証拠写真はないが、このとき私は思った。
すべてがあの親カラスの恩返しであると・・・・・・・。
信じる信じないは個人の自由であるが、私は確信している。
今朝も私が出勤するとき
車庫のシャッターを開ける私を一羽のカラスが見ていてくれた。
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