水制工という優れもの
それは昨年度の河川工事で、空知川の右岸に施した「水制工」という優れ
もののことである。
今の時代、地球環境をテーマに様々な取り組みが立案され、種々の土木
工事もその例外ではなく、特に河川工事に至っては、多自然型護岸や自然
回帰型護岸など、河川整備をしながら自然河川を取り戻すという、一石二鳥
的な発想で洪水対策に取り組んでいる。
この写真は根固めブロックを水制工として、空知川の右岸に設置した時の
もので
川の流れに逆らって、横断方向に積まれている。
そしてその上流側を見ると
100mほど上流と、50mほど上流に同じように水制工が施されている。
ここで先ほどの話と食い違いが出てくる。多自然型や自然回帰型という
ものとは程遠い風景である。
コンクリートがむき出しで、それもかなにグロテスクな形のブロックが規則
的に並べられていて、いかにも人工護岸と言わんばかりである。
だがここで一枚目の写真を再度見ていただきたい。
水制工の先端部付近に何やら流下物がひっかかっているのが見える。
それはワラや小枝みたいなもので、当然流れが急であるならあそこに
ひっかかってはいない。
そう!水制工とは川の流れを安定させるものであり、特に空知川の様に
河床が岩盤の場合にはかなり有効で、川岸付近の急な流れを緩和する
働きがある。
読んで字のごとく、水を制御する工法なのである。
そして流れが緩くなり、河岸の侵食を防ぎ、さらに土砂が堆積して植物が
生え・・・・・・・。
3~4年後にはこんな感じになり、完全に自然回帰化し、柳やシラカバ
なども茂っている。
手前の旧水制工と70mほど先の水制工の間に、今回新たに水制工を
施工したのが分かるが、ちょっと遠くから写すと
まったく違和感なく、昔のままの川である。
この水制工とは、そんな優れものである。
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