「オールウェイズ3丁目の夕日」的定食屋
今月初め、「オールウェイズ3丁目の夕日」的そば屋のことを書いたが
今日は「オールウェイズ3丁目の夕日」的定食屋を紹介する。
その定食屋がある場所は、何とあのそば屋と同じ、三笠の幾春別町に
ある。
道々から少し引っ込んだ所にある為、車を運転していたら少々分かり
づらいかも知れないが
それは幾春別の歴史そのものようなたたずまいで、古き良き時代を
誇っているようにも見えた。
玄関を入ると
消火器が艶消しだったが、古木材に手書きされた『古母里』の文字と
紫陽花のドライフラワーがいい雰囲気をかもし出していた。
中に案内してくれたのは、メガネを掛けた白髪の主らしき人で「お好きな
席へ・・・・・。」と一言だけ言って奥へと下がった。
そしてそこには
少しの時間を逆行した空間があった。
そう、その少しとは50年くらいである。
普通に見えるこのテーブルも、良く見ると打ち出し模様の銅版が貼られて
いた。
出されたお冷も、何かにこだわった感じであり、そのこだわりはあちら
こちらに見られた。
これまた温風暖房器が艶消しだが、お宝鑑定団に出せそうな感じの
和ダンスと化粧台があったり。
隣の居間らしき部屋には黒檀でできた書棚(金庫入れ?)があり。
部屋の真ん中には
これまたお宝鑑定団ものの真鋳の火鉢が・・・・・・。
とにかく、そこらじゅうにビンテージ物がいっぱい置かれていた。
で、肝心のお食事はと言うと
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品数こそ多くはないが、ごはん・めん類・デザートと何かこだわりを
感じる。
そして一番高価な日替定食を注文した。
普通このような食事処で定食を注文すると、あっと言う間に出てくる
ものであるが、こだわりを持って作っているのであろうか、その日替
定食はなかなか出てこない。
待つ事15分、その定食は想像をもしなかった形で出てきた。
定食という概念からかけ離れたそれは、明らかに注文を受けてから
揚げたり、焼いたり、和えたりした物がほとんどで、手作りの温もりを
十分感じるものであった。
右上から時計回りで紹介する。
まずは揚げたてトンカツ→マグロとシメ鯖の刺身→ツナと京ブキの
和え物→焼き鯖(田楽ミソ)とオカラ→玉子焼きとヒジキの煮物→大根
と豚の角煮、そして真ん中は水菜とイカの酢の物である。
無論、ごはんと味噌汁も
手作りの器で出される・・・・・・・。
そしてそのどれもが美味しい。
一品一品がその素材を大切にして、出過ぎた味付けをしていないし
素朴さの中にも深い味わいがある。
お腹が空いていたせいもあるが、この通り完食!!
目で楽しみ舌で味わう、最高の時間を過せた。
そしてお勘定の時、ガチャンという音とその姿が
昭和そのものであった。
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