ガラスという不変材
先日、札幌の「きたえーる」でとあるセミナーに参加してきた。
そのセミナーのテーマは「北海道におけるコンクリート劣化
の現状」と㈱日興の「無機質塗料の新商品」で、会場には
100名程の参加者が来ていた。
前に「魔法の水」でブログに書いた事があるが、いまのコンクリート
工学では、どんなに配合の良い生コンを使っても、そのコンクリート構造
物の寿命は50~60年である。
コンクリートの劣化要因として、コンクリートの中性化、凍害、塩害
鉄筋の腐食、アルカリ骨材反応などが上げられるが、これらのほ
とんどがコンクリート表面の空隙からの侵入物によって引き起こさ
れる。
ちょっと面白い話をするが、ヨーロッパ各国の労働者の平均的収入は
この日本よりかなり低いのだが、生活水準は高くかなり優雅な生活を
している。
それは向こうの人たちは不動産というものにあまりお金を掛けないから
である。特に向こうの家は石造りが多く、一度建てれば200年、300年
の世界である。
まあ地震が少ない事も要因ではあるが、世界に残る遺跡の多くが石造り
であることからも、無機質材で造られた構造物の耐久性はコンクリート構造
物の比ではない。
それゆえ子供、孫、ひ孫の代まで家という物にお金を掛けなくて済むので
ある。
そこでいま、日本のコンクリートを無機のガラス質をもって石の様に改質し
長期寿命化を図る為に「浸透性無機質コンクリート改質材」というものが
開発された。
ご存知のようにガラスという物質は完全無機質材で劣化・風化がなく、紫外
線や化学物質等に侵されることもなく、最高の不変材である。
これを塗布する事により、ガラス物質がコンクリート内の細孔を充填し、緻密
化するため外部からの劣化要因の侵入を抑制し、さらに優れた撥水性が表
れる。
昨年、この町の公共工事でもこの無機質塗料が使用され、あちこちで注目さ
始めている。
今後このようは技術革新がどんどん進んでいくと思うが、その開発理念に
「この地球を綺麗なまま未来の子供たちへ・・・。」という思いがあるのは間違い
ない。
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