環境レポ vol.2
地球温暖化とは、温室効果ガスの濃度が増加し、地球の気温が加速度的に上昇
する現象です。2006年の世界の平均気温は、観測史上第3位の高い値でした。
このまま防止対策をとらない場合、今後100年の間に地球の平均気温は最大6.4℃
上昇すると予測されています。
そして近年地球温暖化によると見られる異常気象が世界各地で発生し、日本で
も大型台風の多発など自然災害の大型化・頻発化による被害が見られ、温暖化の
影響が現れ始めているのではないかと懸念させています。
◎異常気象とは?
気象庁では「ある場所(地域)で30年に1回程度発生する現象」を異常気象と定
義していますが、今年に入ってから、既に異常気象と思われるニュースが世界各
地から伝わっています。日本でも「観測史上初の」「記録的な」などの言葉を聞
くことが多くなり、地球温暖化によると思われる天候への影響を身近に感じるよ
うになりました。
◎異常気象の影響 ~1℃で変わってしまう生態系~
平均気温が1℃上昇するということは、距離でいうと100km南へ移動したことと同じで
す。そして、現在の東京の平均気温は、100年前の鹿児島の気温と同じなのです。人間
にとって1℃の差はそれほど問題ではありませんが、植物やその他の生物にとって1℃の
違いは非常に大きな差であり、地域の生態系が大きく変わってしまいます。このまま平
均気温が上昇すると、熱帯性の害虫なども増え、それらが媒体する病気がまん延し、最
悪の場合、約100年後には西日本がマラリアなどの流行危険地域に入るともいわれて
います。
◎このままでは「水不足・食糧不足」の時代が来ます。
実は地球温暖化によって引き起こされる最も重大な問題は、私たちが生きていくため
に必要な水や食糧が世界的に不足してくることなのです。温暖化による干ばつなどの異
常気象によって、世界的に深刻な水不足となります。25年後には、日本を含む世界人口
の大半の約50億人が水不足の危機に直面することになると予測されています。そして、
水不足によって農業生産量が低下し、食糧が不足します。その結果、食糧価格が高騰
し、食糧の供給を外国に頼る日本にとっては非常に大きな影響があるといわれていま
す。
京都議定書の削減約束期間は、今年の2008年から2012年までの期間であり、日本の
削減目標である6%の削減達成まで、現状では厳しく、産業界をはじめ、増加傾向にあ
る運輸部門・家庭部門での、早急の削減対策が不可欠となっています。
地球温暖化は、私たち自身が危機的な状況になっていないため、理解しにくい現状
なのかもしれません。しかし、地球を守るためには、一人一人が意識を高め、着実に温
暖化防止に取り組むことが必要なのです。