いわみざわ駅まる。報告(3)
報告(2)に引き続き・・
トラス橋部のご紹介。。
明治14年に北海道開拓史に雇われた助っ人米国人クロフォードが発注し、ニューヨーク港から小樽港について、岩見沢の幾春別川と幌向川にかけられた双子のトラス橋。
紆余曲折ありながら、岩見沢に里帰りを果たしてから、諸事情あってその存在がどんどんと薄れつつある中、今回の企画によってやっと公の場に出ることができました。
まずは仮置きされている場所へ調査に向かい、どの部材を運ぶかを決める作業。
鉄の成分が錬鉄のため、130年が経過していても錆びは表面のみで内部にまでは浸透していない様子。
それゆえ各部材の角もしっかりと残り、復元すればそのまま明治14年の姿になりそうな気配。
これを当社のトラックに積める長さのものを選んで・・
展示する駅東市民広場へ運搬。
この時にもお話させていただきました、橋門の入った部材も確保。
23日より3日間の錆落とし体験がはじまりました。
結果は予想もしない状況で、子ども達が夢中に磨く・・
次の日も無の境地で磨く・・
そのまた翌日もせっせと磨く・・・
この橋が130年前のものだというロマンと、ちょっとワイヤーブラシやサンドペーパーで磨くと、鋼材の黒っぽい色が見えてきて、更に磨くと銀色が見えてくるという快感の虜に・・
その銀色が刀と同じような質感なんだと聞かされた時には、更に磨くペースが速くなる正直さ(笑)
最初は錆びでゴテゴテだった橋門も、ほんの少し磨いただけでこんなに輪郭がすっきり出てくる。
そんなこんなで、3日間みんなに磨かれた部材達は、ほんの僅かを残して再び仮置き場へ・・
せっかく磨いたものの錆びの進行を防ぐため、さび止めを塗布してちょっとの眠りにつきます。
今度公の場に現れる時は、サンドブラストでビカビカになった状態でお目見えするかもしれません(笑)
そして、、残りの僅かな部材達は・・
炭鉱の記憶マネジメントセンターにて10月24日まで展示しています。
この橋の事が良くわかるパネル展示や、クロフォードが実際にアメリカに発注した際の書類など、貴重なものが見られます。
ちなみに、25日にはこの企画の一連の流れで「土木遺産セミナー」と称し、近畿大学理工学部教授の岡田昌彰氏によるトラス橋の価値などに関わる講演が開催されました。
その詳細はこちら!
という事で、これまた盛りだくさんな企画を担っていただいたのが、「トラス橋部」という部会でありまして、この部会長が炭鉱の記憶マネジメントセンターのS事務局長!
色んな意味で凄い方です。
《専務取締役 平野》