インターネットあれこれ
あの驚く大災害の発生から早1週間。
大地震 ・ 津波 ・ 原発 と国家を揺るがす出来事が3つも重なる異常事態。ニュースを見ては心配がつのり、被災者の方々の事を思うと気が滅入る。
あげくの果てには、最悪のシナリオを突き進む原発。
今後、更なる悪化と他の地域への震源地の拡散など、負の連鎖が発生しない事を切に願うばかりです。。
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この1週間、ちょっとした空き時間や寝る前などに、ひたすらネットで情報を漁っていた中で色々な発見と気づきがありました。
まず、最初に驚いたのがこれ。
地震発生直後、テレビニュースを見られない被災地の方々の為に、NHKで放送されているニュースをiphoneでネット配信した中学生がいました。
当初のNHKニュースには字幕がなかったので、時折肉声で解説をいれながらの配信。
何やら自分の親が阪神大震災の時の被災者であるとの事で使命感に駆られての行動であるとのこと。
この時の配信がUstreamで行われたために、あらゆる視聴者からのコメントが画面横に表示されるのですが、その中には中学生の行動力を絶賛する大量のメッセージが溢れる。
しかし、その中に混ざり、無許可配信による著作権等の問題を言い出す人が現れるのも世の常。
ここで凄かったのは、NHK_PRというtwitterアカウントを担当するNHK職員の方。
無関係(?)の方から放送をネット配信しているというツイートが入ると、それを抑圧する事なく、逆にご自分のNHK_PRの公式ツイートの中で、この少年が配信するサイトを紹介してテレビの見れない方々が情報を得られるように誘導します。
今度はそれに対する苦言がNHK_PRへ届いたと思うのですが、、、
《停電のため、テレビがご覧になれない地域があります。人命にかかわることですから、少しでも情報が届く手段があるのでしたら、活用して頂きたく存じます(ただ、これは私の独断ですので、あとで責任は取るつもりです)。》@NHK_PR
というコメントを出しつつ、夜中も何も関係なくどんどんと災害情報の発信を進めていきます。
NHKという非常に固そうな体質を想像する中に、いくら緊急時とは言え、独断でそのような判断をする方がいるのが頼もしく感じると共に、こういうものがすべてネット上で展開されていくところに、新しいIT(今はICTというのが正しいのでしょうね。)の流れを感じた出来事でした。
余談ですが、このNHK_PR担当の方は、本来もの凄くゆる~いツイートが特徴のようで、少しずつ災害の状況が変化してきた空気を読み、こんな沈んだ空気だからこそあえて明るい話題をと、14日から元々の"くだけた"コメントを繰り出していくのですが、そのくだけたゆる~い内容が、一部の反感を買うらしく苦情が殺到のよう。
それにも負けず、「元々がそのようなゆる~い主旨のアカウントですので、お気に召さない方は別に正式なNHKアカウントがありますので、、とNHKアカウントの一覧を案内しつつ、気に障る方はアンフォローして下さい。」というスタンスを貫く。
どうも話の展開を見ていると、「天下のNHKが何をふざけた事をいっている!」みたいなお怒りの言葉が多いようなのですが、このNHK_PRの方はポリシーを持って正しい事として貫いているので、そんな苦情に対し、「単に、あなたのお好みに合わないということです。」と突っぱねる。
しかも、、
不謹慎ならあやまります。でも不寛容とは戦います。それでは、あらためてciao!!
というコメントを出す始末。
不寛容・・。
これって世の中に氾濫しているよな・・と納得しつつ、、私はすっかりこの方のファンになってしまいました。(もちろんそうでない方も沢山いらっしゃるかもしれませんが。まぁ、私の言葉足らずではよくわからないと思いますので、http://twitter.com/#!/NHK_PRで色々追ってみてください。)
現在は、、
こんな言葉と共に一旦離脱され、現在twitter上では自動ツイートが流れています。
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今回の災害に対するマスコミの報道では、明らかに大本営発表みたいな傾向があり、1回目の原発爆発でもネット上ではタイムリーに情報が溢れているのに、正式な政府発表は5~6時間も後になってから。
もちろん、デマも嘘も大量に混ざるけれど、すでにtwitterや、匿名性が強いゆえ〈便所の落書き〉と揶揄される2ch等の方が遥かに早い情報を得ることができていた。(デマと本当を判断するのは自分自身になるけれど)
また、マスコミに関しても政府会見等へ正式に参加できないフリージャーナリストの方々が、ネット上でblog、twitter、facebook等で活発な発信をしている。その方がかなりスピーディーな報道ができている事に時代の大きな流れを感じずにはいられない。
もちろん、中にはオカルトちっくな陰謀説的な展開をしていく方もいるのですが、これだって15世紀ぐらいまでは地球が丸いなんて思ってる人はいなかった事を考えると、もっと柔軟になって考えるのもアリなのかもしれないわけで・・
私はネット環境等の進化の中で、この恩恵にどっぷりと浸かってしまうタイプかもしれません。しかし、闇雲にネット擁護をするつもりもなければ、万能説をとるわけでもないと思ってます。
昨年、岩見沢市PTA連合会でも、中学生以下の携帯電話の原則所持禁止を宣言しました。
これはネットいじめやフィルタリングシステムを使ってもネットトラブルがなかなか避けられないからでもあります。表面にでていない事件はかなりの量と考えています。
それらはネット社会のネガティブな部分であって、今回の災害の様に被災地とは電話もメールも繋がらない中、twitterのダイレクトメッセージやスカイプでは何事もなくタイムリーに連絡が取れたり、テレビが写らなくても携帯でニュース動画が配信されたりと良い面が相当ある。
できれば、こんな環境を全ての世代と共有できるのが理想だとは思うものの、今のシステムでは弊害が多すぎる。
私はこのネット社会が成熟していくために最も邪魔になるのが、匿名性だと思っています。
様々な都合の中で実名を保障する環境を整備した中で責任を伴う発信をするのは考え得る障害を想像するだけでも大変な事だけれども、これが当たり前になると、今までのデメリットが大きく変わるのではないかと感じています。
まさに夢物語ではあるものの・・・。
最後に、、
今回の災害の中で、twitter上で流れていたメッセージの一部をまとめたサイトがありますのでご紹介。
http://prayforjapan.jp/tweet.html (抜粋;このサイトは、栃木県の避難所にて、停電のなか最初の夜を明かしている20歳の学生によってつくられました。)
世の中まだまだ捨てたもんじゃないですよね。
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被災地の方々に一刻も早い安心と癒えが訪れる事を祈願いたしております。
《専務取締役 平野》